ファイヤーキング(Fire-King)とは|アンカーホッキングの歴史と日本で買える店【2026年版】
2026年9月7日 情報更新
アメリカン雑貨の店に入ると、棚に必ずと言っていいほど並んでいるぽってりした乳白色のマグ。あれが ファイヤーキング(Fire-King)です。
作っていたのは Anchor Hocking(アンカーホッキング)というオハイオのガラス会社。1941年に始まったブランドで、オリジナル期はとっくに終わっています。それなのに、70年以上たったいまも店に並び、値が付いています。
先に結論
- ファイヤーキングはブランド名。作っていた会社はアンカーホッキング社で、いまも存在します
- 商標の最初の使用は1941年。古いものが欲しいなら、いま出回っているのは中古です(終わりの年には諸説あります。下記)
- 年代は裏の刻印(バックスタンプ)で分かります。文字の書き方が時期で変わっています
- 実物を見て買うなら、専門で扱う店が国内にあります。この記事の後半にまとめました
アンカーホッキング社の歴史
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1905年 | アイザック・J・コリンズらがオハイオ州ランカスターでランカスター・カーボン・カンパニーを買収し、Hocking Glass(ホッキング・グラス)社として創業 |
| 1920〜30年代 | 工場の大火事、そして大恐慌。厳しい時代を通過する |
| 1937年 | 合併を経て Anchor Hocking Glass(アンカー・ホッキング・グラス)社に社名変更 |
| 1941年 | ファイヤーキングの製造開始 |
| 1969年 | ガラス以外にも手を広げたため、社名から Glass を外して Anchor Hocking(アンカーホッキング)社に |
| 1976年 | ファイヤーキングの生産終了 |
| 現在 | アンカーホッキング社は現存しています。耐熱ガラス製品を作り続けています |
なぜ、こんなに残ったのか
ファイヤーキングは高級品ではありませんでした。むしろ逆で、安さが売りだったと言っていい商品です。
- オーブンに入れられる。耐熱ガラスなので、そのまま焼ける
- 落としても割れにくい。厚みがあって頑丈
- 安い。当時から、高級品ではありませんでした
- 色と形が多い。シリーズが非常に豊富
だからダイナー、レストラン、カフェ、学校、そして普通の家庭で、当たり前のように使われました。あの時代のアメリカの日常そのものだった、ということです。
50年代アメリカのダイナーの写真を見ると、たいていカウンターにファイヤーキングが写っています。雰囲気を再現したい人が真っ先に手を出すのは、そういう理由です。
※当時は安価だったものが、いまはコレクター需要で数万円になるものもあります。色・シリーズ・状態によって、価格の幅が非常に大きいジャンルです。
主なシリーズ
| シリーズ | 特徴 |
|---|---|
| Jadeite(ジェダイ) | 淡いミントグリーンの乳白ガラス。ファイヤーキングといえばこれという代表格 |
| Restaurant Ware(レストランウェア) | 業務用。厚くて重い。ダイナーで実際に使われていた形 |
| Turquoise Blue(ターコイズブルー) | 明るい水色。人気の高いカラー |
| Jane Ray(ジェーンレイ) | リムに細い放射状のライン。家庭用の定番 |
| Swirl(スワール) | 渦を巻くようなリムの形 |
| Charm(チャーム) | 四角い形が特徴 |
| Shell(シェル) | 貝殻のような曲線のリム |
| Peach Lustre(ピーチラスター) | 光沢のあるベージュ〜金色。キンバリーなどの形で見かけます |
| Dハンドルマグ | 持ち手がD字型のマグ。もっとも流通量が多い形のひとつ |
【訂正】「1976年で終わり」とは書けません
当サイトは以前、ファイヤーキングの製造を「1941〜1976年」と書いていました。改めて確認したところ、終わりの年に強い裏づけがありませんでした。
| 分かっていること | |
|---|---|
| 始まり | 1941年。米国特許商標庁の記録で、Fire-King 商標の最初の使用が1941年1月30日、登録が同年6月24日。市販を確認できる最古の広告は1942年10月 |
| 終わり | 1976年という年の出典が、コレクター資料しかありません。コーニング博物館は「1941年に登場し、2000年まで続いた」としています |
ですので、この記事では「1941年に始まり、オリジナル期は1970年代半ばまでとされる」という書き方にしています。1970年代以降にも Fire-King の名前の製品はあります。いま新品で売られている計量カップがその例です。
年代は裏の刻印で分かる
ファイヤーキングのほとんどには、底にバックスタンプ(刻印)があります。この文字の内容とデザインが時期によって変わっているので、ひっくり返せば、だいたいの年代が分かります。
大まかな流れはこうです。
- 1940年代… ブロック体の初期の刻印。「OVEN GLASS」の表記が使われた時期があります
- 1950年代… 「WARE」の表記へ。Dハンドルマグやレストランウェアでよく見ます
- 1960年代中期以降… 錨(アンカー)のマークと ANCHOR HOCKING の社名が入るように
- 1960年代後期〜1970年代中期… 「OVEN-PROOF」の表記へ
※刻印は種類が多く、同じ時期でも複数のパターンがあります。写真つきの一覧を見ながら現物と見比べるのが確実です。取扱店が自社サイトで刻印の一覧を公開している場合があるので、そちらが参考になります(下記のTRI-ZEALなど)。
なお、刻印が無いものもあります。刻印が無い=偽物、ではありません。摩耗して読めなくなっているもの、もともと入っていないものがあります。
※【訂正】刻印から読み取れるのは「順番」までです。当サイトは以前、刻印ごとに年代の幅を書いていましたが、その年に強い裏づけがありませんでした。はっきりしているのは変わっていった順序で、年代はコレクターの間の通説です。「この刻印だから何年」とは言えません。
いま買うには
ヴィンテージは「店で現物を見る」のが基本
生産終了から50年たっているので、状態が一点ずつ違います。擦れ、カケ、曇り、色の個体差。写真だけでは判断しづらいジャンルです。
だから、実物を見られる店の価値が高い。そして、コンディションの表記をきちんと書いている通販店の価値も高い、ということになります。
現行品なら新品で買える
アンカーホッキング社は現存しているので、いまも耐熱ガラス製品を作っています。たとえば Fire-King 名義の耐熱ガラス製メジャーカップ(計量カップ)は、250cc・500ml・1000cc といったサイズで新品が流通しています。
ヴィンテージではありませんが、「実際に毎日使う道具として欲しい」なら、こちらのほうが現実的です。電子レンジも熱湯も使えます。
ファイヤーキングを扱う店
当サイトで記録している、ファイヤーキングやアメリカのヴィンテージ食器を扱う店です。2026年9月に現況を確認しています。
TRI-ZEAL(トライジール)|山形県朝日町
- 所在地
- 山形県西村山郡朝日町宮宿1182-1
- 電話
- 0237-85-0065
- 取扱
- ファイヤーキング/パイレックス/ヘーゼルアトラス/グラスベイク/フェデラル/USA古着
- 通販
- オンラインストアあり(2020年8月に shop.tri-zeal.jp へ移転しています)
国内でもっともファイヤーキングに寄せた品揃えの店のひとつです。コンディション表記を細かく書く方針を明記しており、刻印の一覧ページも公開しています。年代を調べたいときの資料としても役に立ちます。
- 相澤雑貨店(群馬県太田市)— ファイヤーキングやレトロポップな雑貨
- atTic antiques(通販)— ファイヤーキング専用ページを持つ通販店。パイレックス、ヘーゼルアトラスも
- FROM USA(宮城県仙台市)— フィードサックなどUSヴィンテージ生地の店
- PEARL.(沖縄県宜野湾市)— アメリカ西海岸買い付けのアンティーク家具と雑貨
- LAZY STORE(通販)— ワッペン・パッチが主力の店
※各店の詳しい情報は、それぞれの記事をご覧ください。営業状況は変わりますので、お出かけの前に公式サイトかSNSでご確認ください。
あわせて知っておくと良いブランド
ファイヤーキングを扱う店では、たいてい同じ棚に次のものが並んでいます。いずれも同じ時代のアメリカの耐熱ガラス/食器です。
- PYREX(パイレックス)— コーニング社。柄物のボウルが有名
- HAZEL ATLAS(ヘーゼルアトラス)— ミルクガラスの食器
- GLASBAKE(グラスベイク)— マッキー社の耐熱ガラス
- FEDERAL(フェデラル)— フェデラルグラス社
「ファイヤーキングが好き」は、だいたい「この時代のアメリカの台所が好き」ということです。店で探すときは、ブランド名を絞りすぎないほうが良いものに出会えます。
この記事について
本記事は、当サイトが2014年に公開した「Anchor Hocking(アンカーホッキング)」の記事を、ファイヤーキングの解説として2026年9月に書き直したものです。取扱店の情報は同月に確認しています。
当サイト HONEYHONEY は2014年から50’s・60’sのアメリカ文化と、それを扱う店を記録しています。